納税猶予と源泉所得

いろんな視点から「納税猶予」についてお話してきましたが、理解いただけたでしょうか?
なんだか終わりの挨拶みたいですが、違いますよ!
近年、農業に携わる若者がすくなくなる一方で、このような「納税猶予制度」があることにより農業を相続し継続していくことが可能になることは、本当に素晴らしいことだと思います。
税金関係にはあまり詳しくないのですが、給与計算に納税猶予は関係ないと思うのですが、源泉所得税の場合は、確定申告の前にその減額や徴収猶予などを受けることができます。
他にも納税猶予のような制度が多数あると思うのですが、それはまた次回ということで・・・。

事業承継税制の拡充

突然「事業承継税制の拡充」といわれて、何の事?と思われるかもしれませんが・・・。
農業関係の納税猶予から離れて、中小企業事業承継税の納税猶予についてお話します。
あまり得意分野ではないので、間違っているかもしれませんが・・・。
2007年10月に政府税制調査会で、オーナー経営者が子供に中小企業を継がせる際の相続税負担を軽減する事業承継税制などについて議論されました。
今までの税制では、中小企業のオーナー経営者が死亡し、子供が会社を引継ぐ場合には、400平方メートルまでの事業用宅地については相続税評価額が80%軽減されますが、非上場株式については10%の軽減しか認められていませんでしたが、これに対し非上場株式の相続税評価額についても一定の要件を満たす場合には80%の軽減がなされるよう議論され、非上場会社を経営していた被相続人から、その会社の株式等を相続した相続人は、取得した株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予・免除されることになったそうです。
だからと言って、給与計算年末調整には関係してこないと思いますが・・・。
関係してくるのは税務調査の時だけですかね・・・?

納税猶予がこんなところで・・・

これまで納税猶予についてお話してきました。
今回は少し余談になるかもしれませんが、こんなところで「納税猶予」に直面するとは!と思った瞬間があったのでご紹介します。
それは、自分の所有する田を宅地にし、駐車場として貸付ようと思い何か税務関係で不利になることはあるのかと調べていた時のことです。
年末調整源泉所得税については特に問題はなかったのですが、どうやら納税猶予制度をうけていたらしく宅地を貸付けることにより、納税猶予制度が適用されなくなるのではないかと思ったことがありました。

株式にかかる納税猶予

今まで農業関係の納税猶予について説明してきましたが、今回は視点を変えて「株式相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」について調べてみました。株式相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度とは、一定の要件のもと、同族会社株式の課税価格の80%に対応する相続税額が猶予されるという新しい相続税の特例制度が創設されることになった。
適用の範囲は平成20年10月以後の相続にさかのぼって適用されます。
◆適用対象となる会社
 非上場の同族中小企業
 資産管理会社や投資目的会社でないこと
◆適用対象となる相続 *それぞれ5年間継続されることを条件とされています。
  【被相続人=代表者であったこと】
  被相続人が単独で株式の過半数保有
  同族関係者と合わせ過半数保有かつ親族内で筆頭株主

  【相続人=代表者になること】
  相続により、単独で株式の過半数保有
  相続により、同族関係者と合わせ過半数保有かつ親族内で筆頭株主

納税猶予<要件>

納税猶予を受けるためには、被相続人・相続人・会社それぞれに必要要件があります。
その要件を簡単に説明します。

◆被相続人の要件
 ・特例農地等で死亡の日まで農業を営んでいた個人
 ・農地等を生前一括贈与した場合の贈与税の特例にかかる贈与者

◆相続人の要件
 ・被相続人の死亡後、相続税の申告期限までに農業経営を開始し、その後も引き続き農業
  経営を行うと認められる人
 ・農地等を生前一括贈与した場合の贈与税の特例にかかる受贈者で、農業者年金の経営
  委譲年金を受給するため、贈与を受けた農地等を推定相続人の一人に使用貸借し、引き
  続き納税猶予の特例の適用が認められた人

納税猶予<手続きの流れ>

納税猶予の手続きの流れをご説明したいと思います。
①相続税・贈与税の発生
  納税猶予考えている人の注意点
  ●納税猶予の条件を満たしているかを確認
  ●税の申告期限に間に合うかを確認
     ↓
②手続きに必要な書類の確認
     ↓
③相続税及び贈与税の納税猶予に関する適格者証明願の提出
     ↓
④現地調査等の審査
  対象となる農地の確認
     ↓
⑤農業委員会の総会による議決
  証明書を発行するには農業委員会の総会での議決が必要
     ↓
⑥証明書の発行
  証明書の交付に手数料300円必要
     ↓
⑦税務署への申告
  税の申告書類と一緒に「相続税(贈与税)の納税猶予に関する適格者証明」を添付して提
  出。

贈与税納税猶予

租税特別措置法でも出てきましたが、今回は「贈与税納税猶予」についてです。
贈与税納税猶予は、農業を営んでいた個人が生前にその推定相続人の一人に農地等を一括して贈与し、受贈者が贈与を受けた農地等で農業経営を継続する場合に限り贈与税の納付を猶予する制度です。

◆要 件
 ●贈与者の要件
  ・ 贈与する日まで引き続き3年以上農業を営んでいた者であること
 ●受贈者の要件
  ・ 贈与者の推定相続人の一人であること
  ・ 贈与を受ける日までに引き続き3年以上の農業従事経験があること
  ・ 年齢が18歳以上であること
  ・ 受贈後、速やかに農業経営を行うこと
◆免 除
  贈与者もしくは受贈者の死亡のときまでその農地等で農業を継続した場合には、猶予さ
  れている贈与税の納付が免除され、贈与者死亡の場合は受贈者が贈与者から相続によ
  って取得したものとみなされ、相続税が課税され、受贈者死亡の場合は受贈者の相続人
  に相続税が課税されることになっています。

相続税納税猶予

租税措置法でも出来てましたが、今回は『相続税納税猶予』についてです。
相続税納税猶予とは、相続人が農業を営んでいた被相続人から農地等を相続し、農業を継続する場合に限り、農地価格のうち農業投資価格を超える部分に対する相続税の納付を猶予する制度です。
◆要 件
 ●被相続人の要件
  ・ 死亡の日まで農業を営んでいたと認められること
  ・ または贈与税の納税猶予の特例を受けるために農地等を生前に一括贈与したと認めら
   れること
 ●相続人の要件
  ・ 相続税の申告期限までに農業経営を開始し、その後も引き続き農業経営を行うこと
  ・ または、贈与税納税猶予の適用を受けた人で、農業者年金の経営移譲年金を受けるた
   めに、その推定相続人の一人に農地等を使用貸借による権利設定をして農業経営を移
   譲したこと
 
◆免 除
 農業後継者に対する生前一括贈与があるまでの間や、その農地等で農業を継続した場合
 は、猶予税額の納付が免除され、市街化区域外の農地では、原則として20年間その農地
 等で農業を継続した場合、猶予税額の納付は免除されるが、市街化区域の農地では、20
 年間農業を継続したことによる免除要件は廃止された。

租税特別措置法

納税猶予をお話する前に知っておいていただきたいことがあります。
それは、「租税特別措置法」です。
この租税特別措置法により相続税及び贈与税の納税猶予制度があり、一定の条件を満たした場合、発生した相続税及び贈与税の納税が猶予される制度です。
この特例を受ける場合には、農業委員会の適格者証明を必要とし、税の申告期限までに税務署に申告しなければいけません。
しかし、納税猶予が適用された場合でも、免除前に下記のような行為を行うと、納税猶予の全部または一部が打ち切りとなり、猶予されていた税額に加え、利子税も併せて納めなくてはならない場合があります。

納税猶予の全部または一部が打ち切りになる場合
・ 特例農地等の譲渡、贈与、転用、賃借権等の設定を行った場合
・ 生産緑地の買取申し出を行った場合
・ 農業相続人(受贈者)が農業経営を廃止した場合
・ 3年ごとの継続届出書の提出がなかった場合
・ 任意に納税猶予の適用を取りやめる場合
・ 税務署長の増担保または担保の変更命令に応じなかった場合
 

はじめに

突然ですが、農業委員会に所属しています。
簡単に農業委員会を説明すると、「農業委員会等に関する法律」に基づいて市町村に設置される行政委員会のことで、農家の代表機関として、市町村長から独立して農地法に基づく許可等の行政事務を行っている組織です。
農業委員会でよく耳にするのが「納税猶予」という言葉です。
この言葉の前に「相続」やら「贈与」やらつきますが・・・。
少し難しくなるかもしれませんが、これから納税猶予についてお話したいと思います。

*納税猶予とは農家の相続に伴う農地の細分化を防止し、農業後継者の育成を図る目的で、農地等について特例として設けられたものです。